「給食の大量調理」は献立によって仕事の忙しさが変わります。
標準化したいですねー。
平準化したいですねー。
仕事の基本です。当たり前の話なんです。
当たり前のことを当たり前にやってから悩みましょうよと言う話です。
標準化と平準化
簡単に標準化と平準化の説明をしますね。
作業の標準化とは「誰がやっても同じ事ができるようにする事」です。
作業の平準化とは「特定の人や時期(時間)に仕事が集中しないようにする事」です。
それぞれに目指すことは違いますが目的は一緒です。
業務に悪影響や遅れを生じさせない為です。
標準化と平準化は密接に関わっています。並行して取り組んでいく事なのです。
標準化しよう「給食の大量調理」
標準化が出来ていないと作業者によって料理の出来上がりが違ってしまいますよ。
よくあるのがソースを合わせて調理するのか、別で調理して配膳時にかけて提供するかです。
食材や調味料は決まっていますが、調理方法が決まっていないことが多々あります。
誰が作っても同じ味で見た目になるのが理想的です。
そして「給食の大量調理」では基本的に料理に「ソース」を合わせて調理して盛り付けします。
後からソースをかけるのは一手間かかるからです。
ですが老人ホームや病院などの「給食の大量調理」は配膳までして提供する事が多いので、献立を作成する栄養士によってはソースをかけます。
ただ、その分の作業時間がかかるので「2時間前喫食」を前提に考えると「やらない」が正解になります。
必要以上に工夫することで「慌てて作業」するのは「安心、安全」のリスクが上がるからです。
また煮物などにサヤエンドウを別で茹でて配膳時に上にのせるなどもお勧めしません。
一緒に煮るようにしましょう。
標準化するときは、なるべく作業工程が少なくなるように心がけましょう。
それから、食材や調味料を入れる順番を決めましょう。
そうすれば、作業者によって味や見た目の違いが少なくてすみます。
平準化しよう「給食の大量調理」
平準化が出来ていない献立は提供に間に合わないですよ。
料理によって手間のかかるものがあります。
「給食の大量調理」は基本的に主食、汁物、主菜、副菜、デザート又はサラダの5品を提供する事が多いです。
献立の平準化を簡単に説明すると「手間のかかる料理は一品にしましょう」です。
それを前提に人の配置や作業時間を組んでいきます。
それが主菜も副菜もサラダも手間がかかるようにしたらドタバタするのは当たり前です。
献立の組み合わせは調理や盛り付けの作業内容を考えた上で作成しましょう。
責任者や栄養士の勘違いでよくあるのが「利用者さんの為に美味しくて見た目がよい料理を提供したいからお願いします」です。
言っている事がわからないです。
まず「安心、安全」が第一です。
利用者さんの「安心、安全」を考えるからこそ「作業内容を平準化して人や時間配分を考えている」のに、余分な作業工程を増やして「安心、安全」より「美味しさ」や「みばえ」を優先するのは「給食の大量調理」の「献立」として失格です。
「安心、安全」の範囲で「美味しさ」や「みばえ」を考えましょう。
理想論は誰でも言えます。
作業工程を増やすなら人や作業時間を増やした上でやるのが当然です。
「利用者さんの為」を間違えないで下さい。
標準化と平準化の取り組み方
標準化と平準化の内容は必ず専用の書面にして残しましょう。
また、それをどう運用していくかも重要です。
調理マニュアルの作成
理想は全ての料理をマニュアル化すれば良いですが、何でもかんでもマニュアル化する必要はないです。
職場によって調理の基本的なルールがあると思います。
固いものは別で火を通して柔らかくするとか肉から火を入れるなどです。
それで間違いなく出来る料理は基本ルールを作成すれば良いです。
その基本ルールだけだと調理者によってバラツキがでる料理をマニュアル化すれば良いです。
献立チェックリストの作成
献立チェックリストとは、作成された献立が無理のない作業内容になっているか確認する為のリストです。
それを元にチェックします。
例えば、昼の献立が混ぜご飯に豆腐のあんかけだとすると、混ぜご飯の具も調理して主菜はあんを別で調理する必要があります。
普通のご飯と魚の塩焼きと比べると作業内容の負担が全く違います。
ルールを作って、それに基づいているかを確認して修正しましょう。
献立チェックリストは使用する食材が朝昼夕と被らないためにも使用します。
運用方法の取り決め
必ず運用方法を決めて取り組みましょう。
よくある問題は、朝礼や申し送りで変更した内容を周知するのにマニュアルには反映させていないことです。
それでは意味がないんです。
申し送りや朝礼はあくまで変更したから確認してねと言う連絡です。
マニュアルとは違うルールが申し送り帳に書いてあるだけではダメなのです。
必ず変更や追加があれば修正しましょう。
また、修正やチェックの作業に関しては責任者や栄養士だけでなく分担して行いましょう。
例えば一ヶ月交代で作業者を変更するのも良いでしょう。
これも平準化です。
まとめ
標準化や平準化が正しく行われていれば「給食の大量調理」に特別なスキルは必要ないのです。
もし、「特別なスキル」が必要で辞める人がいれば「責任者」の責任です。
ご存知の通り「給食の大量調理」の給料は多くはないです。
そんな仕事に特別なスキルを求める方が間違っています。
業務内で普通に努力すれば誰でも出来る仕事が「給食の大量調理」なのです。
もし、あなたが作業者の立場で「特別なスキル」が必要で困っているようであれば「転職」のタイミングかもしれませんね。
もし職場選びで迷っているようなら別のページで紹介しています。未経験者を対象にしていますが参考になると思いますのでご覧ください。