大量調理は忙しいですよね。多くの人へ「安心、安全」な食事を提供するためにやる事がいっぱいあります。効率よく仕事をしたいものです。
そうなると一度は考えたことがある方も多いと思います。
「前日調理」ってやってもいいんだっけ?
やりたい気持ちはマジでわかりますが、大量調理の前日調理はダメなのです!
これで終わっては、ここを見にきてくれた人に申し訳ないので代わりの解決策を紹介します。
はじめに
なぜ前日調理はなんでダメなのか?バレなけばいいとは考えないでくださいね。
特に責任者の方!よくあるのが行事などの手間がかかる献立はしょうがないと言う謎の理由です。
飲食店から転職された方によくありますが、「飲食店」と「給食の大量調理」は違います。
「大量調理」は一度に調理した食事を多くの人が食べるので「リスクの範囲が広い」んです。
そのため「大量調理施設衛生管理マニュアル」があって、そのルールのもとに保健所が判断をしているって話なんです。
前日調理がダメな理由
大量調理施設衛生管理マニュアルにはこう書かれています。
原材料の納入に際しては、缶詰、乾物、調味料等常温保存可能なものを除き、食 肉類、魚介類、野菜類等の生鮮食品については1回で使い切る量を調理当日に仕入れるようにすること。
大量調理施設衛生管理マニュアルより引用
調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましい。
大量調理施設衛生管理マニュアルより引用
保健所の方は、当日に調理して提供はもちろんの事、調理終了後(加熱終了後)から2時間以内に提供して食べれるかを確認します。
なぜ「調理終了後から2時間以内に喫食」となっているかを簡単に説明すると、調理終了後から2時間を経過すると菌の増殖による食中毒リスクが高まるからです。
前日調理の解決策
そもそも、なぜ前日調理をしたいのか?って話なのですが、食事の提供に間に合わないからですよね?
限られた予算や人員で決められた時間までに美味しい食事を提供するのに「前日調理」を考えたと思います。
つまり、間に合うような作業内容に変えればいいのです。
まずお伝えしたいのが、「美味しい」より「安心、安全」が優先です。それがわからない責任者は問題があります。
もし、あなたが経営者なら調理責任者に聞いて欲しいです。
美味しい食事の提供を考えた時に「前日調理」ってどう思う?ってね。答え次第で手をうたないと「経営のリスク」となりますよ。
カット野菜の導入
「給食の大量調理」では調理の前に全ての食材を切って準備していることが多いです。
食材をカットしてから調理の工程に入ります。
先に切ってかる調理するといっても200人や300人分の食材はかなりの量になります。
200人×3食(朝昼夕)の野菜を専用の機械を使っても二人で5時間ぐらいはかかりますね。もちろん機械のセットや片付け、掃除も含めてですが。
ですが、今の世の中にはカット野菜があるんです。
すでにカットされた冷凍の野菜を使用すれば袋を開けるだけで使用できます。
例えば20キロの人参の千切りを用意します。
生野菜は、機械で皮を剥いて包丁でヘタをとって機械で切れるようにカットします。それを機械で薄切りにして、もう一度機械を使って千切りにします。
時間にすると15分から20分ぐらいですかね。
カット野菜だと一袋で500グラムです。なので20キロだと40袋を開けることになります。
一袋が5から10秒で開けれるので、5分前後で用意することができます。
一つの食材をカット野菜にかえると少なくても10分は時間が短縮できますよ。
生の野菜よりは値段はしますが、それを準備する人件費や光熱費、水道代を考えると安くなる場合もあります。
うまくカット野菜を導入すると二人で切り込みしていたのが、一人で準備ができる場合もあります。
ただカット野菜は少し味が落ちるので、使う料理によって選択しましょう。
既製品の料理を使う
あなたの職場は全ての料理をイチから調理していますか?
知ってます?世の中には業務用の既製品があるんですよ。
えっ?調理師のプライドとしてちゃんと作りたい?それは誰得ですか?
食べる方にとってはどちらでも構わないのですよ。
もっと頭のいい人たちが考えて用意してある既製品を使わない理由ってなんですか?
ただ、それだと少し寂しい気持ちもわかります。なので既製品に少し工夫してあげればいいんです。
食材を足して調味料を加えて調整するってことです。ゼロから調理するよりメチャクチャ楽になりますよ。
食材を加えているので調理師の考えも反映してます。足りない部分を追加して提供が出来ればいいのです。
例えば、カボチャサラダの既製品があったとします。食材はかぼちゃだけです。そこにドレッシングがかかってるサラダです。
加えるのは人参の千切りです。人参をボイルして冷まして水を切ります。
サラダに加えて塩や胡椒、マヨネーズなどで味の調整です。簡単に出来ますよ。
盛り付けの見直し
よくあったのが一つのお皿に料理をのせて、そこに添え物をつけている料理です。
魚にはパセリやはじかみ生姜などをつけて、煮物などにはサヤえんどうをのせたりとやりすぎです。
「給食の大量調理」ですよ。
限られた時間の中で何をやるか取捨選択しましょう。
基本は一つの皿に盛り付けは一回です。
大抵は、主食、主菜、副菜、汁物、デザートの5種類を用意します。献立によって内容が変わることはありますが5品を提供する事が多いです。
そこに主菜と副菜に添え物をつけると時間がかかって当然ですよ。
主菜にはタレをかける場合もあります。汁物はお椀に具をセットするときもあります。
それらが重なったら5回の盛り付けで済むところが8回も9回も盛り付けしなくてはいけません。
献立の中で2つ以上を盛り付けする料理は、一つにして欲しいものです。
魚にレモンを添えるなら他はつけない。
汁物がお椀に具をセットしてから汁を入れるなら他はやらない。
献立コントロールをしっかりして必要以上に手間がかからない料理にしましょう。
まとめ
大量調理の仕事は大変なんです。前日調理がしたい気持ちは痛いほどわかります。
ですが、大量調理は「安心、安全」が第一なんです。
とても大変だとは思いますが、他の解決策を見つけましょう。
もし、「安心、安全」に前日調理できる方法があるなら「大量調理の伊達メガネ」にも教えて欲しいです。
ただ、「安心、安全」というのは、「保健所の方がいいよ」と言ってくれる方法のことです。
「前日調理」やれるといいですねー。