
「コストコのパンガシウス、安いけど本当に大丈夫?」
この不安、めちゃくちゃ分かります。
ネットにはパンガシウスについて
「危険」
「汚い」
「やめとけ」
みたいな強い言葉が並ぶし、でも根拠が見えない。
なのでこの記事は、
気持ちじゃなく仕組みで安心できるように整理します。
ポイントは2つだけ。
- 日本の食品検査(ここが安全性の本丸)
- ASC認証(サステナブルの目印。安全性とは役割が違う)
ちなみに、給食の大量調理でもパンガシウスは扱っていますよ👇
結論:安全性の土台は「日本の輸入検査」。ASC認証は「補足情報」
先に結論です。
- 日本に正規輸入されて流通している水産物は、食品衛生法に基づく監視・検査の枠組みの中で管理されています。厚労省は輸入食品の監視指導、モニタリング検査、必要に応じた検査命令などの仕組みを公開しています。
- ASCは「環境や社会に配慮した養殖」の認証で、パンガシウス向けの基準も存在します。
- ただしASCは、日本の食品安全検査の代わりではありません(役割が違う)。
つまり、コストコに限らずパンガシウスの「安全性」を語るなら、まず見るべきは日本の検査制度です。
そもそもパンガシウスってどんな魚?

白身でクセが少なく、加工・大量流通に向く魚
パンガシウスは白身で扱いやすく、フィレ(切り身)で流通しやすい魚です。
大量に安定供給できるので、業務用・家庭用どちらにも相性がいい。
ここで誤解が起きやすいのが、次の話。
「危険」と言われる理由はだいたい3つ
①「養殖=抗生物質まみれ」説
これは、養殖のイメージが先行しがち。
日本では輸入食品をリスクに応じて計画的に検査し、違反の可能性が高いと判断されれば輸入の都度、全ロット検査(検査命令)などで水際対策を強化する仕組みが説明されています。
②「産地の水が汚い」説
ベトナムのメコン川の環境問題の話が、そのまま語られてしまうパターン。
ただしASCは、パンガシウス養殖が水や土地資源に与える影響などを扱う基準を持っています。
(※これは安全性ではなく環境・持続可能性の話です)
③「ASC認証=安全の証明」と混同される
ASCは食品の安全検査マークではありません。
環境・社会面を含めた責任ある養殖の証で、安全性(残留物・衛生)とは役割が別。
ここを混同すると、情報が一気に怪しく見えます。
ASC認証の目的や基準などについてはこちらの記事で詳しく説明しています👇
日本の輸入食品検査:なぜ「検査が全部じゃないのに安全」と言えるの?
「輸入食品は1割しか検査してないって聞いたけど…」という不安、よく出ます。
厚労省のFAQでは、リスクに応じて計画的にモニタリング検査を行い、その結果から違反の可能性が高い食品には輸入の都度の検査命令を出すなど、効率的・効果的に安全確保していると説明されています。
つまり、「全部を同じ頻度で検査する」のではなく、怪しい兆候が出たら強く締める設計になっている、ということ。
この仕組みがある以上、少なくとも日本で正規に売られている時点で、制度としての安全網がかかっています。
コストコの生パンガシウスはASC認証されている?
ここが一番、多くの人が混乱しやすいポイントです。
結論から言うと、
現時点で、日本のコストコで販売されている「生パンガシウス」がASC認証の商品であると公式に確認できる情報はありません。
理由はとてもシンプルです。
- 商品パッケージや売場表示に、ASC認証マークが付いていない
- ASC公式の製品検索・CoC認証企業一覧に日本の「コストコ」が出てこない
- 日本のコストコから「この商品はASC認証です」と明言した公式発表がない
この3点がそろっている以上、
「コストコの生パンガシウスはASC認証されている」と断定することはできません。
※2025年12月時のASC商品を取り扱っている国内のCoC企業はこちら
一方で、ここでよくある誤解があります。
「じゃあコストコはASC認証を重視していないの?」
これは、YESでもあり、NOでもあるというのが正確な答えです。
コストコはグローバル方針として、
MSC・ASCなどの第三者認証を考慮した水産物調達を目指す姿勢を示しています
しかし、それはすべての商品にASC認証マークを付けて販売する、という意味ではありません
つまり、
「ASCを意識した調達方針」
と、
「ASC認証商品として表示して販売している」
は、別の話です。
ここを切り分けないと、話が一気にややこしくなります。
では次に、
「そもそも、コストコはASCロゴを付けて売ることができるのか?」
制度のルールを整理します。
コストコはASC認証マークを付けて売れるの?
答えは、条件つきでYES/NO です。
パターンA:仕入れた時点で「ASCタグ付き・ASC表示済み」なら売れる
ASC認証のロゴ使用ルール(ユーザーガイド)では、
小売業者は、自身がASCのCoC(Chain of Custody)認証を取得していなくても、
すでにASC表示が付けられた水産物を、消費者向け製品として販売することは可能
とされています。
つまり、
仕入れ段階ですでに、ASC認証の表示ルールを満たしたタグ・パッケージが付いている商品であれば、
小売は「そのまま売る」ことはできる
ということです。
この場合、小売は
「ASC認証の商品を扱っている」だけで、「自分でASC表示を付けている」わけではありません。
パターンB:店頭でコストコが後から「ASCです!」とタグ付けするのは基本NG(要CoC)
一方、同じユーザーガイドでは、こんなルールも明確に書かれています。
タグやバンドなどでASC表示を新たに付ける場合、そのタグにはASCのCoC認証を持つ事業者のCoCコード表示が必須
要するに、
「ASC表示を付ける側には、認証とトレーサビリティ管理の責任が発生する」
ということ。
この場合、
コストコ自身が、「この商品はASCです」と判断してタグやPOPを付けるには、
→ CoC管理が必要
→ 実務的ハードルが一気に上がる
という構図になります。
ここまでを整理すると
- ASC表示済みで仕入れた商品を売る
→ 可能(小売が必ずしもCoC必須とは限らない) - 小売が後からASC表示を付ける
→ CoCコード・管理体制が必要(簡単ではない)
この違いを理解すると、
「なぜコストコのパンガシウスにASCロゴが付いていないのか」
が、かなりクリアになります。
コストコのパンガシウスがASC認証の商品なのかどう見抜く?
結論はとてもシンプルです。
一番確実なのは「パッケージ表示」
ASCはロゴ・表示ルールが非常に厳しい認証です。
だからこそ、
- 商品パッケージ
- ラベル
- タグ
- 売場表示
このどこかにASCロゴがあるかどうかが、消費者にとっての最短・最確実ルートになります。
逆に言うと、
公式以外の紹介記事などに
「コストコのパンガシウスはASC認証された商品です」
と書いてあっても、現物にASC認証の表示がなければ断定はできない。
これは感情論ではなく、制度の話です。
カスタマーサービスに問い合わせるのも有効な確認方法
パッケージ表示を確認しても判断がつかない場合、最も確実でかつ公式な確認方法がこれです。
👉 コストコのカスタマーサービスに直接問い合わせること
「え、そこまでしていいの?」と思うかもしれませんが、これは決してクレーマー的な行為ではありません。
食品の原産地・認証・検査に関する問い合わせは、正当な消費者の権利です。
コストコの「生パンガシウスのASC認証」についてカスタマーサービスに確認したところ、電話で回答をいただきました。
下記はいただいた内容をそのままです。
お問い合わせのありました「生パンガシウス」はASC認証されていない商品です。
コストコのカスタマーサービスからの折り返し電話
との回答でした。(2026年1月時点)
重要な注意点
ここで、注意して欲しいのが、
カスタマーサービスから、
「ASC認証については確認できません」
「認証表示は行っていません」
という回答があった場合でも、それは 「安全ではない」ことを意味しません。
あくまで、
- ASC認証の表示をしていない
- 日本の食品検査とは別の話
というだけです。
ちなみに、カスタマーサービスの対応は、とても好感の持てる対応でしたよ。
まとめ:コストコのパンガシウスは「仕組み」で見れば安全と言える
ここまで読んでくださった方なら、もうお気づきだと思います。
コストコのパンガシウスが「安全かどうか」を判断する軸は、噂やイメージではなく「制度」と「表示」と「扱い方」です。
その上で、結論を整理します。
日本で流通している時点で、厳しい安全網を通過している
コストコのパンガシウスは、日本に正規輸入され、販売されています。
これはつまり、
- 食品衛生法に基づく輸入時の監視・検査
- リスクに応じたモニタリング検査
- 問題があれば即、検査命令や輸入停止がかかる仕組み
この日本の食品安全制度の中にある食材だということ。
安全性の土台は、ASC認証ではなく、日本の検査制度です。
ここは揺るぎません。
「ASC認証がない=危険」ではない
ASC認証は、
- 環境への配慮
- 持続可能な養殖
- 労働環境や地域社会への配慮
を示す国際的なサステナビリティ認証です。
一方で、
- 残留薬剤
- 衛生管理
- 食品としての安全性
を直接保証する制度ではありません。
だから、
ASC表示がない=安全ではない
という判断は、制度的に誤りです。
本当に注意すべきは「魚」より「扱い方」
最後に、給食・大量調理の現場目線で一つ。
食中毒や健康リスクの多くは、
- 解凍の仕方
- 加熱不足
- 生食材との交差汚染
こうした扱い方で起きます。
パンガシウスは白身魚で、適切に加熱すれば特別なリスクはありません。
結論
コストコのパンガシウスは、日本の食品検査制度のもとで流通している、「特別に危険ではない、ごく普通の白身魚」です。
ASC認証がなくても、それだけで不安視する理由はありません。
不安の正体は、魚ではなく情報の切り取り方。
制度を知れば、必要以上に怖がる理由はなくなります。
安心して選び、正しく調理し、おいしく食べる。
それで十分です。
パンガシウスを美味しく食べる方法はこちら👇










