こんにちは「大量調理の伊達メガネ」です。
今回は、最近スーパーや冷凍食品コーナーでよく見かける「パンガシウス」という魚についてお話しします。
実はパンガシウスは学校や病院などの給食でも使われているんです。
このお魚は、お値段が手頃で使いやすいと人気ですが、一方で「体に悪いのでは?」という心配の声も聞こえてきます。
学校や病院の給食で使われている時点で、他の魚と同様のレベルで安全は確認されているですけどね。
そうは言っても心配になるには理由があるんですよ。
今回は、パンガシウスの安全面や特徴について、そして美味しく楽しむためのコツも合わせてお伝えします。
パンガシウスとはどんな魚か
まずはパンガシウスという魚の基本情報から見ていきましょう。
パンガシウスの基本情報
パンガシウスは、ナマズの仲間で白身魚です。
特に東南アジアで養殖されており、日本では「バサ」や「ホワイトフィッシュ」という名前で冷凍食品として販売されていることも。
その特徴は、クセの少ない味わいと柔らかい身質。フライやソテー、スープなど、さまざまな料理に使えます。
パンガシウスの生息地と生態
パンガシウスは主に東南アジアのメコン川やチャオプラヤ川などの淡水域に生息しています。
養殖が盛んに行われており、特にベトナムはパンガシウスの主要な輸出国として知られています。
パンガシウスは低カロリーで高たんぱく。
ダイエット中や筋トレをしている方にもぴったりの食材です。
また、魚特有のオメガ3脂肪酸も含まれており、心臓や脳の健康をサポートする効果も期待できます。
なぜパンガシウスは給食に取り入れられるのか?
パンガシウスはコストパフォーマンスが高く調理が簡単。
臭みが少なく子どもたちも食べやすいという理由で学校給食や病院食でも活躍しています。
また、冷凍の状態で長期保存ができるので管理もしやすいんです。
大量調理の伊達メガネが初めてパンバシウスを使ったのは2010年頃だったかなー。
とても扱いやすい魚ですよ。
パンガシウスが体に悪いと言われる理由
一方で、「パンガシウスは体に悪い」と言われる原因も気になりますよね。
その大きな理由の一つに、養殖場があるベトナムのメコン川の水質汚染からくる不安によって「体に悪い」と考えられるようになったようです。
他にもいくつか理由があるので詳しくお伝えします。
養殖環境が与える健康リスク
まずは、先ほどもお伝えした通りで養殖場の水質や環境が問題視されています。
メコン川には、工場や農業から出る排水や化学肥料に農薬が川に流れ込無事によって水質が悪くなり、川の生物たちにも影響を与えていると言われています。
汚染された水で育てられた魚は健康に悪い成分を含むことがあるため体に悪いのではと考えられています。
水銀汚染のリスクについて
魚全般に共通する体に悪いのではと心配されているのが水銀の蓄積があります。
パンガシウスの場合、大型魚ではないため水銀量は比較的少ないと言われていますが、養殖環境によってはリスクが高まる可能性があります。
エサに含まれる化学添加物の影響
パンガシウスの養殖では、成長を早めるための化学物質が使用されることがあるそうです。
これが魚に残留し食べることによって体に悪いのではと懸念されています。
パンガシウスを食べる際はASC認証マークを確認
ここまでの話を聞くとパンガシウスは体に悪いと思うかもしれませんが、それは他の魚にも言えることです。
要はしっかりと品質のチェックされた魚を使えば問題ないと言うことです。
最も重要なのが認証マークのついた魚を選ぶことです。
つまりASC認証がついたパンガシウスを選ぶと安全性が高いといえます。
安心安全なASC認証マークとは
ASC認証(Aquaculture Stewardship Council 認証)とは、持続可能な養殖業を推進するための国際的な認証制度です。
この認証は、環境への影響を最小限に抑えながら、責任を持った方法で水産養殖が行われていることを保証します。
ASC認証は、消費者が信頼できる養殖水産物を選ぶための指標として活用されています。
ASC認証の主な目的
- 環境保護:
水質、土壌、地域の生態系に与える負荷を減らし、環境への影響を最小限に抑えること。 - 社会的責任:
養殖業に関わる労働者の権利や地域社会への配慮を重視。 - 透明性とトレーサビリティ:
養殖から消費者までの生産過程を明確にし、安全で安心な水産物を提供。
ASC認証の基準
ASC認証を取得するためには、養殖業者が以下の基準を満たす必要があります。
- 生物多様性の保全
- 効率的な資源利用
- 水質管理
- 持続可能な餌の使用
- 労働条件の遵守
ASC認証が付いた商品を選ぶメリット
- 環境保全への貢献:
持続可能な水産物を選ぶことで、環境への負荷を軽減できます。 - 安心と安全:
ASC認証の基準を満たした商品は、厳格な管理の下で生産されています。 - 社会的責任のサポート:
養殖業の労働者や地域社会の福祉に配慮した選択ができます。
ASC認証を見分ける方法
ASC認証を取得した製品には、青と緑のチェックマークが描かれた公式ロゴがパッケージに記載されています。このロゴを目印に商品を選びましょう。
ASC認証は、パンガシウスのような養殖魚にも適用されることが多く、責任ある選択をサポートする重要な仕組みです。
パンガシウスの臭いの原因
これで安心安全なパンガシウスを選ぶことが出来ると思いますが、それでも臭みが気になって体に悪いのではと考えてしまう方もいます。
基本的にパンガシウスは臭みがなく扱いやすい魚ではあります。
それに冷凍パンガシウスは基本的に寄生虫のリスクが低いとされています。
ですが、どうしても淡水魚特有の臭いはあります。
淡水魚特有の臭いとは
淡水魚は海水魚とは違う臭いの原因があります。
養殖されるパンガシウスは、エサや水質の影響で独特の「泥臭さ」や「生臭さ」が感じられることがあります。
いわゆる土臭いやカビ臭いといった感じです。
これが、口コミなどで「臭いが気になる」と指摘される理由の一つです。
パンガシウスの臭いを消す方法
臭いの原因がわかったところで、効果的な対策を見ていきましょう!
下処理の重要性
下処理をきちんとすることで、臭いを大幅に軽減できます。
- 解凍後にキッチンペーパーで水分を拭き取る。
- 塩を全体にまぶして10分程度置く(塩もみ)。
- 塩を洗い流し、冷水で軽くすすぐ。
自宅でできる臭み取り技術
- 牛乳に漬ける:解凍後のパンガシウスを牛乳に10~15分漬けると、臭いが抑えられます。
- レモン汁を使う:調理直前にレモン汁をかけておくと、臭みが飛びます。
食材と調味料を活用する
調理時に臭いを和らげる食材や調味料を使うのも効果的です。
- にんにくや生姜:魚の臭いをマスキングしてくれる。
- ハーブ:バジルやディルを使うと爽やかな香りが加わります。
パンガシウスの栄養成分
パンガシウスは健康的な食材として注目されていますが、その栄養価はどうなのでしょうか?
パンガシウス100gあたりの栄養素
- エネルギー:約100kcal
- タンパク質:約15g
- 脂質:約3g
- 炭水化物:ほぼ0g
パンガシウスの健康効果
パンガシウスは高たんぱく低脂質の魚で、ダイエット中や筋肉作りをしている方におすすめです。
たんぱく質は体の組織を修復・再生する役割があるので、日々の健康を支える重要な栄養素です。
それからビタミンBやミネラルも含まれています。
ビタミンB群:
パンガシウスにはビタミンB12やナイアシンが含まれています。これらはエネルギー代謝を助け、疲労回復や神経の健康をサポートします。
ミネラル:
カリウムやリンが比較的多く含まれています。カリウムは血圧の調整に役立ち、リンは骨や歯の健康を維持するために必要です。
おすすめのパンガシウスレシピ
パンガシウスをもっと美味しく、安心して楽しめる簡単レシピをご紹介!
定番のパンガシウスのムニエル
材料:パンガシウス、塩コショウ、小麦粉、バター、レモン
作り方:
- パンガシウスに塩コショウを振り、小麦粉をまぶす。
- フライパンにバターを熱し、両面をこんがり焼く。
- レモンを添えて完成!
シンプルな味付けですが、パンガシウスのふんわりした食感を楽しめます。
簡単!パンガシウスの煮付け
材料:パンガシウス、醤油、砂糖、みりん、生姜
作り方:
- 鍋に醤油、砂糖、みりん、生姜を加え、煮汁を作る。
- パンガシウスを煮汁に入れ、中火で煮込む。
- 煮汁が少なくなったら完成。
ご飯が進む一品です!生姜の香りで臭みも気になりません。
鰻の蒲焼き風パンガシウス
材料:パンガシウス、蒲焼きのタレ、山椒
作り方:
- パンガシウスをフライパンで焼く。
- 蒲焼きのタレを絡め、焼き上げる。
- ご飯にのせ、山椒をかけて完成!
手軽にうなぎ気分を味わえる節約メニューです。
まとめ:パンガシウスは体に悪いわけではない!
随分前からパンガシウスを使ってきましたが、問題になったことは一度もありません。
ですが、養殖環境や添加物に注意が必要であることは間違いないので購入先には気をつけましょう。
きちんとASC認証マークがついていれば安心して食べることが出来ます。
ただし、他の魚と同様で食べ過ぎには注意しましょう。
というか、パンガシウスが体に悪いと考える前に日頃の食生活を見直すことのほうが健康のリスクを下げることになるのでは?と感じます。
魚に限ったことでなくバランスよく食べることはとても重要です。
これをきっかけに日頃の食生活を見直すのもいいかもですね。