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給食現場のプロが語る!カルローズ米は本当に危険?知られざる真実と安全な使い方

こんにちは大量調理の伊達メガネです。

お米の値段が高いですねー。

大量調理の職場では、少し前からお米の値段が高いのと安定して仕入れることが難しいのでカルローズ米を使うことが増えました。

規模によって違いますが、一回の食事で10キロや20キロを使うので大変です。

ちょっと前からスーパーでもよく見かけるようになったカルローズ米。

そして、カルローズ米について調べる人がじわじわ増えてきているようです。

しかもカルローズ米の危険性について。

私は、給食現場で大量調理をしているベテラン調理員。

毎日、利用者さんたちの健康を第一に考え、衛生と栄養、そしてコスパと向き合いながら働いています。

今回はそんな給食のプロの立場から、ネットやSNSで見かける「カルローズ米=危険かも?」というイメージに対して、ちょっと立ち止まって一緒に考えてみましょう。

カルローズ米は、使い方をちゃんと知っていれば優秀で頼れるお米なんですよ。

カルローズ米ってどんなお米?特徴とメリットを簡単に解説

カルローズ米と聞いて「ちょっと不安…」と思う方もいるかもしれません。

だって聞きなれない名前ですからね。

カタカナでなんか「特別な加工がされた米」って感じるのもよくわかります。

でも、実は給食や飲食の現場ではとても使いやすいお米なんです。

カルローズ米の特徴や、なぜプロに選ばれているのかをご紹介します。

カルローズ米はアメリカ・カリフォルニア生まれの頼れるお米

カルローズ米は、アメリカのカリフォルニア州で栽培されている中粒種のお米です。

中粒種というのは、日本でよく食べられている「コシヒカリ」などの短粒種と「タイ米」などの長粒種のちょうど中間くらいの粒の大きさのこと。

名前の由来は、カリフォルニアのバラ(ローズ)でカルローズだそうです。

つまりカルローズとは造語なんです。

「外国のお米ってパサパサでしょ?」と思われがちですが、カルローズ米はひと味違います。

感じ方はそれぞれかもしれませんが、日本のお米より軽く歯応えがある感じです。

日本のお米とまったく同じというわけではありませんが、調理次第ではモチッとした食感も出せますし、冷めてもパサつきにくいんです。

これは給食現場にとって、かなりありがたいポイント。

なぜなら、子どもたちが食べるまでにどうしても時間差があるからです。

保温しておいても美味しく食べられるというのは、大量調理においてとても重要なんですよ。

調理現場で大活躍!その理由とは?

カルローズ米は「扱いやすい」「コスパがいい」「味が整いやすい」と三拍子そろっていて、給食や外食の厨房でよく使われています。

特に洋風や中華、カレーといったメニューとの相性がバツグン!

たとえば――

  • チキンライスやオムライスのごはんに → パラッと仕上がり、べちゃっとならない
  • カレーやハヤシライスのライスに → 程よくルーがしみ込んで食べやすい
  • チャーハンにも◎ → 粒が立ちやすく、冷めても固くなりにくい

さらに、吸水時間が短くてもOKという特性もあり、時間との戦いになる給食現場ではとても助かっています。

コスパも良くて、品質も安定してる

国産米に比べて価格が安定しているのも大きなメリット。

しかも、一定の品質が保たれているため、炊きムラや味のばらつきが少ないんです。

これ、実は毎日何百食も作る大量調理では超・重要ポイント。

たとえば、

  • 国産米:天候による出来不出来がある→味にバラつき
  • カルローズ米:品質が安定→毎日同じ味で提供できる

つまり、調理現場では「毎日、安定した品質で、安全に、コストを抑えて提供できる」=現場のプロにとって非常に頼れる存在というわけです。

カルローズ米が危険かもと思う前に知ってほしい

カルローズ米について危険かもと思う方は、「外国産=ちょっと不安」という先入観があるように思います。

でも、実際に使っている現場からすると「むしろ使いやすいし、ちゃんと安全だよ」というのがリアルな声。

もちろん、不安になる気持ちもわかります。

だからこそ、正しい知識をもって判断することが大切なんです。

「危険」と言われる理由は?3つの誤解をプロが解説

カルローズ米は外国産だから危険かもと心配されるのも理解できます。

でも、それは単なる誤解かもしれません。

給食の現場で実際に使っている立場から、よくある3つの誤解をスッキリ解説します。

誤解その1:農薬やポストハーベストが心配…

「外国産=農薬が多い」「ポストハーベスト(収穫後の農薬)がされてるかも」といった不安、正直よく聞きます。

※ポストハーベストとは輸送や貯蔵のために行われる処理のことです。

たしかに、こうした処理をしている輸入品があるのも事実です。

でも、カルローズ米は日本に輸入される際に、厳しい検査をクリアしてきています。

農薬の残留基準は日本国内産よりもむしろ厳しいこともあるほど。

輸入時には厚生労働省の基準に基づいた検査が行われ、問題のあるロットはそもそも国内に入ってこないようになっています。

そして、給食や業務用で使うカルローズ米は、納入業者の段階でも品質チェックが徹底されています。

実際の現場では、以下のような体制で安全性が担保されています:

  • 複数の検査機関によるWチェック体制
  • トレーサビリティ管理(いつ・どこで・誰が作ったか分かる)
  • 納入時に異物混入や変質がないかを調理員が確認

安心・安全は当たり前の大前提。

現場ではそこをとことん追求しています。

誤解その2:遺伝子組み換えでしょ?

カルローズ米が「危険」と言われる理由のひとつに、「遺伝子組み換えかもしれない」という声があります。

しかし、結論から言えば、現在、日本に輸入されているカルローズ米は非遺伝子組み換えです。

米という作物自体、世界的に見ても遺伝子組み換え品種はごく一部に限られており、流通も非常に限定的。

特に日本は、遺伝子組み換え食品に対する規制が厳しく「遺伝子組み換え」と明記されていない限り、給食など公共性の高い現場では使われることはほぼありません。

※日本で流通している遺伝子組み換えの食品は9作物(大豆、トウモロコシ、じゃがいも、なたね、綿、テンサイ、パパイヤ、アルファルファ、カラシナ)

つまり、給食で使われているカルローズ米は、遺伝子組み換えではない安全な品種

その点についても、しっかりと裏付けが取れています。

誤解その3:味がまずいんじゃないの?

「外国のお米って美味しくないでしょ?」という声、これも根強いですね。

でも、それってあくまで食べ方の問題なんです。

たとえば、日本米と同じようにおにぎりにすると確かに違和感があるかもしれません。

でも、用途に合った料理に使えば、むしろベストマッチなんです!

カルローズ米は水分を含みすぎず、粒が立ちやすいので、こんな料理にぴったり:

  • カレーライス(ルーとのなじみが良く、べちゃつかない)
  • ピラフやチャーハン(炒めてもパラっと仕上がる)
  • タコライスやロコモコなどの洋風メニュー

調理現場では、「お米の個性に合わせてメニューを選ぶ」のが基本。

カルローズ米だからこそ美味しくなるメニューもたくさんあるんです。

むしろ「給食に向いてる味と食感」だと感じています。

危険どころか、むしろ「安心・実用的」なお米

実際の調理現場からすると「危険」というイメージはまったく当てはまりません。

むしろ、厳格な安全管理のもとで使われており、用途を選べば美味しく仕上がる実用的なお米です。

つまり、ネットの情報だけで「危ない」と判断するのは、ちょっともったいないかもしれませんね。

安全に使うためのポイントと調理のコツ

カルローズ米を安全かつおいしく活用するには、「ちょっとしたコツ」が大切です。

プロの調理現場でも実践されている具体的なテクニックを紹介します。

浸水時間や炊き方のポイント ~“ふっくら&パラリ”の絶妙な仕上がりに~

まず知っておきたいのは、カルローズ米は「中粒種」であり、日本のお米(ジャポニカ米)とは性質がやや異なるという点。

そのため、炊飯時には以下のような調整が必要です。

【ポイント】

  • 水洗いは軽く:軽くすすぐ程度でOK(ゴシゴシ洗わない)
  • 浸水時間は短め(15~30分):吸水が早いため、長時間は不要
  • 水加減はやや少なめに:1合あたり180ml程度が目安(柔らかくなりすぎを防ぐ)
  • 炊飯後の蒸らしをしっかり(10分以上):粒感とほぐれ感が増す

特に大量調理では、吸水のタイミングと火入れがポイント。

スチコンを使う場合も、スチーム比率を調整することで、ベチャつきや硬さを防げます。

保管時の注意点 ~「風通し」と「温度管理」が品質を守るカギ~

輸入米だからといって「危険」というわけではありませんが、保管環境に気を配ることで、風味・品質・安全性が大きく変わります

カルローズ米はアメリカ・カリフォルニア産の輸入米のため、輸送から保管までに日本とは違いがあることも忘れてはいけません。

【注意したい保管ポイント】

  • 高温多湿を避ける:梅雨や夏場は特に注意!20℃以下の室温が理想
  • 密閉容器で保管:米びつでもOKだが、密閉性を優先
  • 風通しのよい場所:押入れや冷蔵庫の上はNG。湿気がこもりやすい

特に給食施設などで大量に保管する場合は、湿度計や冷暗所の設置が現場レベルでも実践されています。

給食の現場から見る「カルローズ米」のリアルな使用感

カルローズ米って実際どうなの?と気になっている方へ――。

私は給食の現場で実際にこのお米を使っている調理員の一人です。

リアルな現場の声として、「使いやすさ」「味」「利用者さんたちの反応」について本音でお伝えします。

大量調理の現場では、むしろ助かる存在

正直に言うと、最初にカルローズ米を扱うと聞いたときは「え、外国米って扱いづらそう…」という印象がありました。

でも、実際に使ってみると意外や意外、大量調理にはむしろ向いているお米でした。

理由はこの3つ:

  • 炊きあがりが安定してる(水加減に神経質にならずに済む)
  • べちゃつかず、粒が立つ(配膳時の盛りつけもキレイ)
  • 冷めてもボソボソしにくい(再加熱しても食感が保たれる)

それに日本のお米は、状態によって炊き上がりのブレが大きいんですよ。

固かったり柔らかすぎたり。

炊飯する現場では水加減のブレがあっても許容範囲が広いというのは、本当にありがたいポイント。

忙しい現場では「安心して任せられる炊飯用米」として重宝されています。

和食より「洋・中・カレー系」で本領発揮!

カルローズ米は、和食の繊細な風味とはやや相性が悪いのが正直なところ。

何というか重さ?奥行き?ずっしり感?コク?旨み?

上手く言えないんですが、食べ比べるとハッキリしていて「ちょっと物足りない」という声もあります。

でも、その代わりに、

  • カレーライス
  • 中華丼
  • チャーハン
  • ロコモコ風ライス
  • ハヤシライス
  • タコライス

などなど、“味がしっかりついている料理”との相性は抜群。

ルーやタレの味がご飯に染みすぎず、バランスがいいので、味がぼやけにくいのです。

その結果、「今日のカレー、お米もおいしかった!」という声が子どもから聞こえてくることも。

現場では、「献立によって主役のお米を使い分ける」という発想が徐々に浸透しています。

安全に&おいしく使いこなすために大事な3つのコツ

  1. 炊き方は「やや少なめの水+短時間浸水」で粒感を活かす
  2. 保管は高温多湿を避け、密閉&冷暗所で風味を守る
  3. 洋風・中華に合わせたレシピなら、給食でも家庭でも大好評

カルローズ米は、「日本米とは違う」=「使いにくい」ではありません。

性質を理解して適切に扱えば、むしろ使い勝手がいいお米

まとめ:カルローズ米は「危険」ではない。選択肢の一つだ。

実際の現場で使っているプロの目線から見ると、危険かもというイメージはまったくの誤解です。

正しく知れば「安全で便利な食材」

  • 輸入時の検査は厳格に行われており、安全性に問題はありません。
  • 遺伝子組み換えの噂も根拠がなく、非遺伝子組み換えのものが主流
  • 味についても、用途に合わせた調理でしっかりおいしくなります。

つまり、「危険」というより、正しく理解すればむしろ賢い選択肢です。

現場でのリアルな体験が、もっとも信頼できる

私たち給食の大量調理の現場では、利用者さんたちの健康と安全を最優先に考えています。

そんな中でカルローズ米を選び、実際に使っています。

そして今のところ利用者さんや現場の職員から「お米が変わった?」という言葉は聞きません。

このリアルな声こそが、何よりの証拠です。

「不安」は知識と体験で乗り越えられる

不安を持つこと自体は悪いことではありません。

むしろ、安全に気を配る意識がある人ほど、真実を知るチャンスに恵まれているとも言えます。

だからこそ、「カルローズ米が危険かも?」という疑問をきっかけに、ここまで読んでくださったあなたは、すでに安全に賢く使いこなせる側にいます。

カルローズ米は、「危険」どころか、調理の幅を広げ、コストバランスにも優れた、頼れる存在

誤解を正し、正しく扱うことができれば、家庭でも給食でも、もっと自由に、おいしく使えるお米です。

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