調理員や給食調理に興味ある皆さん、こんにちは「大量調理の伊達メガネ」です。
給食の大量調理は、調理だけでなく、片付け、衛生管理……とやることがいっぱいですよね。
そんな忙しい中、意外と見落としがちなのが「自分の健康」や「食べてはいけないもの」です。
今回は、「給食調理員が食べてはいけないもの」をテーマに、気をつけたいポイントや衛生管理について詳しくお話ししていきます。
ぜひ最後までお読みいただき、日々の業務に役立ててくださいね!
給食調理員の重要な役割
給食調理員の仕事とは
給食調理員の役割は、単に食事を作るだけではありません。
子どもたちなどが毎日健康に生活を送れるよう栄養バランスの取れた食事を提供することが求められています。
また、食材の管理から調理や配膳まで安全に配慮しなくてはなりません。
調理中には温度管理や衛生管理など細かなところまで気をつける必要がありますよね。
例えば、食材が適切な温度で保存されているか、使用する調理器具は清潔かどうか、といった点は非常に重要です。
安全な食材選びと調理方法
安全な給食を提供するためには食材選びにも十分な注意が必要です。
新鮮な食材を選ぶことはもちろん保存方法や調理手順も重要なポイント。
特に、生ものや加熱が必要な食品については、しっかりと温度を確認し十分に火を通すことが求められます。
給食の現場では肉や魚の加熱時間に気を使っていました。
特に大量に作ると真ん中がしっかり火が通っていないこともあるので、そのあたりは気を抜かないようにしましょう!
給食調理員が食べてはいけない食品
まず伝えておくことが一つあって、それは「給食調理員が食べてはいけないもの」は職場によって違います。
つまり国のルールや法律としてあるのではなく、あくまで職場のルールとして「食べてはいけないもの」があります。
特に学校給食を提供している職場は厳しいです。
逆にいうと学校給食の職場以外は「食べてはいけないもの」として注意がない職場も多いです。
ですが「食べてはいけないもの」と言われるには理由があります。
給食調理員が気をつけるべき「食べてはいけないもの」には、どんなものがあると思います?
具体的に見ていきましょう。
カキなどの二枚貝
まず、二枚貝についてです。
カキやアサリなどの二枚貝は、給食調理員が食べるのを最も避けるべき食材です。
特に生のカキは、ノロウイルスに感染するリスクが非常に高い食材です。
ノロウイルスは冬場に流行しやすく感染力が非常に強い(少ないウイルスでも発症)ので、もし調理員が感染すると他の調理員や利用者さんたちにウイルスが広がってしまう可能性があります。
「大量調理の伊達メガネ」の家族もカキが大好物なのですが食べたあとに体調を崩していました。
職場によっては一緒に生活する家族も生のカキは食べてはいけないと言われます。
給食調理員としては、ノロウイルスのリスクを考えて二枚貝はできるだけ控えるようにしましょう。
ただ職場によっては給食の大量調理でもカキフライを提供することがあります。その時は必ず中心温度を計測してください。
中心温度に関しては「大量調理マニュアルの中心温度について徹底解説」にて紹介していますのでご覧ください。
生たまご
次に、生たまごです。
生たまごにはサルモネラ菌が潜んでいることがあり食中毒を引き起こす原因となることがあります。
加熱が不十分な場合や、卵が新鮮でない場合は要注意です。
サルモネラ菌に感染すると激しい腹痛や下痢を引き起こすため調理員が体調を崩すだけでなく給食全体にも影響が出てしまうかもしれません。
大量調理の伊達メガネも「ちょっと生卵を味見しても大丈夫かな?」と思ったことがありましたが、やはりリスクを考えて手をつけませんでした。
それに家庭での食事だと「すき焼き」に生卵の相性は抜群ですよね。
ですが、調理員として自分の健康を守ることはもちろん、提供する食事に影響を与えないようにしましょう。
生魚
生魚も、給食調理員が避けるべき食品の一つです。
刺身や寿司など、日本では生魚を使った料理が人気ですが給食調理員にとってはリスクが伴います。
生魚には、腸炎ビブリオや寄生虫が存在することがあり、これに感染すると激しい腹痛や嘔吐を引き起こす可能性があります。
しっかりと加熱すれば死滅しますが、生で食べると感染のリスクが高まります。
特に調理の現場では、常に衛生管理に気を使っているので生魚を食べることは避けるのが無難です。
生肉
そして最後に、生肉です。
生肉にはカンピロバクターやO-157といった食中毒の原因となる細菌が含まれていることが多く、十分に加熱しないまま食べると危険です。
特に鶏肉にはカンピロバクターが多く、感染すると数日間にわたる腹痛や下痢に苦しむことになります。
「大量調理の伊達メガネ」も一度、生焼けの鶏肉をうっかり食べてしまい大変な目に遭いました。
それ以来、給食の調理場ではもちろん家でもしっかりと肉に火が通っているかを確認するようにしています。
給食の大量調理の職場では、肉の一部でも火が通っていないと大きな問題になりかねないので常に注意を払いましょう。
食中毒予防のための注意すべき行動
もし給食調理員が下痢や嘔吐の症状が出た場合は、すぐに上司に報告し仕事を離れることが大切です。
体調が悪いまま働き続けると、食中毒のリスクが広がり他の給食調理員や利用者さんたちに感染してしまう恐れがあります。
嘔吐や下痢の症状がある場合は、十分な休養を取り医師の指示に従って体調を回復させてから仕事に復帰しましょう。
ノロウイルス対策マニュアル
給食調理員として、特に冬場はノロウイルス対策が欠かせません。
ノロウイルスは高温で調理しても完全に死滅するわけではなく適切な衛生管理が重要です。
調理前後にしっかりと手を洗い、調理器具や調理台の消毒も徹底しましょう。
また、万が一ノロウイルスに感染してしまった場合は、すぐに休養し他のスタッフに感染しないよう細心の注意を払いましょう。
家族が嘔吐下痢の場合の対応
もし家族が嘔吐や下痢の症状を出している場合でも、給食調理員として注意が必要です。
家庭内で感染が広がらないよう、家族との接触をできるだけ控えることが重要です。
特に、小さなお子さんがいる場合は、感染リスクが高まるため調理場での作業に入る前にしっかりと自分の体調も確認してください。
厚生労働省の出勤停止ガイドライン
また、厚生労働省では給食調理員が嘔吐や下痢の症状がある場合は一定期間の出勤停止を推奨しています。
感染が疑われる場合は、無理に出勤せずに医師の指示に従うことが食中毒や感染拡大を防ぐための重要な対策となります。
調理従事者等は下痢、嘔吐、発熱などの症状があった時、手指等に化膿創があった時は調理作業に従事しないこと。
下痢又は嘔吐等の症状がある調理従事者等については、直ちに医療機関を受診し、感染性疾患の有無を確認すること。ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイムPCR法等の高感度の検便 検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましいこと。
大量調理施設衛生管理マニュアル
自分の健康を守るための工夫
忙しい給食現場で自分の健康を守るためには、いくつかの工夫が必要です。
特に、食事のタイミングや内容には気を配りたいですね。
食事は休憩時間にしっかりとる
「忙しいから食べる時間がない」と思って食事を簡単に済ましてしまうことも多いですが、これがリスクを高めます。
しっかりと休憩時間に栄養バランスの取れた食事をとるようにしましょう。
水分補給を忘れない
特に夏場など調理場は暑くなります。水分補給を忘れてしまうと体調不良の原因になりがちです。
調理中でも適度に水分を摂るように心がけてください。
健康チェックリストを活用
自分の体調管理には健康チェックリストを活用するのもおすすめです。
定期的に体調を確認し体調不良がある場合は無理をしないことが大切です。
給食調理員の素朴な疑問に答える
給食調理員は給食を食べられるのか?
「給食調理員って、実際に給食を食べていいの?」という質問をよく耳にします。
これは職場によって違います。
調理員や職員も給食を食べることができる場合もあります。
もちろん調理中のつまみ食いはNGです。
調理場でのあるある話
給食調理の現場では、よくある「あるある」な話も多いですよね。
大量のカレーをかき混ぜているときに思わず「これ、ほんとに全部食べ切るのかな?」と心配になることや、揚げ物の準備をしていると「少し味見したいなぁ」と思うことも。
現場ならではの苦労や喜びを共有できるのも給食調理員の楽しさの一つです。
給食調理員の大変さとは
給食調理員として働くことは、体力的にも精神的にも大変な仕事ですよね。
朝早くから大量の食材を準備し利用者さんたち全員に行き渡るようにバランスの取れた食事を作るのは、かなりの集中力が必要です。
「大量調理の伊達メガネ」も経験がありますが、大量の鍋をかき混ぜたり何百人分ものご飯を盛り付ける作業は腕や腰にきます。
給食調理員が大変と言われる理由については「給食調理員は何できついって言われてるの?理由と続けるヒント」にて紹介しています。
まとめ
給食調理員として、食中毒のリスクを避けるために「食べてはいけないもの」や、衛生管理のポイントについて詳しくお話しました。
給食調理員はただおいしい食事を提供するだけでなく、安全で健康に配慮した食事を作る重要な役割を担っています。
日常の衛生管理を徹底し、体調不良のときは無理をせず休養を取ることが大切です。
また、ノロウイルスや胃腸炎などの感染リスクに対しても普段から対策をしっかりと行うことで、利用者さんたちに安心して食べてもらえる給食を提供できるでしょう。
最後に、給食調理員の仕事は決して楽ではありませんが、やりがいのある素晴らしい仕事です。
皆さんも日々の努力が子どもたちの健康につながっていることを忘れず、引き続き頑張っていきましょう!