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食器の乾燥で差がつく!大量調理施設衛生管理マニュアルと食器乾燥を解説

こんにちは「大量調理の伊達メガネ」です。

給食調理の現場で働く皆さん、そして衛生管理に興味がある皆さん、今回は「大量調理施設衛生管理マニュアル」に基づいた食器の乾燥と管理についてお話しします。

大量調理施設衛生管理マニュアルの内容だけでなく実際の現場ではどのように食器を乾燥しているかも紹介します。

給食や大量調理を扱う現場では衛生管理が命!

ちょっとした事でリスクにつながることもあります。

食器の乾燥にもポイントがありますので、それだけでも読んでいってね!

大量調理施設衛生管理マニュアルの食器の乾燥について

まずは、大量調理施設衛生管理マニュアルに食器の乾燥について何て書かれているか?ですよね。

大量調理のマニュアルには下記のように記載されています。

器具、容器等の使用後は、別添2に従い、全面を流水で洗浄し、さらに80°C、5分間以上の加熱又はこれと同等の効果を有する方法で十分殺菌した後、乾燥させ、清潔な保管庫を用いるなどして衛生的に保管すること。

なお、調理場内における器具、容器等の使用後の洗浄・殺菌は、原則として全ての食品が調理場から搬出された後に行うこと。

また、器具、容器等の使用中も必要に応じ、同様の方法で熱湯殺菌を行うなど、 衛生的に使用すること。この場合、洗浄水等が飛散しないように行うこと。なお、原材料用に使用した器具、容器等をそのまま調理後の食品用に使用するようなことは、けっして行わないこと。

これを読むと明確に大量調理の給食で使用される食器の乾燥や管理についての手順が書かれているわけではないんですよ。

ただ明確に記載されているのは、80°Cで5分間以上の加熱で殺菌して乾燥させることです。

そして清潔な保管庫で衛生的に管理すること。

実際の大量調理の現場での食器乾燥

では、実際の給食の大量調理の現場ではどのように食器を加熱殺菌して乾燥させているかです。

これまで多くの現場を経験している「大量調理の伊達メガネ」ですが、全ての職場で食器の乾燥をするときに「熱風消毒保管庫」を必ず使用しています。

もしかしたら「大量調理の伊達メガネ」が知らないだけで他の方法もあるのかもしれませんが、知り合いや仲間の話も含めると100以上の現場の話を聞いています。

それでも「熱風消毒保管庫」を使わない職場は聞いたことがありません。

なので「熱風消毒保管庫」を使うことを前提に話を進めていきます。

熱風消毒保管庫がどんなものか画像でお伝えしたかったですが、使用しても良いものが見つからなかったので、下記のサイトを参考にしてください。

ちなみに大量調理の現場では熱風消毒保管庫のことを「(食器)乾燥機」と言うことが多いです。

あまり熱風消毒保管庫とは表現しないですね。

それから保管庫に使うかごは下記です。

意外と楽天などの通販サイトで買った方が安かったりします。

食器の消毒保管庫の適切な設定

熱風食毒保管庫には、温度と時間を調節する機能があります。

ただメーカーや使うアイテムによっても変わるので、適切な温度や時間をお伝えすることが出来ないですが、重要なのは使用した後の食器の状態です。

まずは取扱説明書を確認してほしいですが、それだけだと不十分です。

目的は食器を熱風で食毒して乾燥させることです。

説明書通りに設定しても十分な乾燥や食器が熱で変形していては意味がありません。

なので、必ず食器の状態を見て確認しましょう。

ちなみに大量調理の伊達メガネの経験でよくある設定を伝えておきますね。

よくある設定温度と時間は80~90℃で40分前後くらい。

あくまで目安ですよ。

食器によっては熱で変形してしまうので、もっと低い温度で長時間する場合もあります。

食器乾燥のポイント:食器かごへの詰め方や庫内への入れ方

食器かごへの詰め方:乾燥と消毒をバッチリさせるコツ

食器類は必ず水切りを十分に行う

  • 食器が濡れたままだと、乾燥に時間がかかるだけでなく、消毒効果が落ちてしまうことがあります。
  • 水切りをしっかりしてからかごに入れることで、庫内の湿気も減らせて効率UP!

食器は隙間ができるようカゴに入れる

  • 食器は水が切れるように並べます。少し隙間をあけると◎
    あまりぎゅうぎゅうに重ねてしまう熱風が行き届かず消毒ムラができるので注意!
    • お皿: かごに立てるように並べます。
    • 茶碗や小鉢: 逆さ(又は横並び)にして、しっかり水が切れるように配置

庫内への入れ方:風通しが命!

庫内に詰め込みすぎない

  • 収納物をぎゅうぎゅうに詰めると、熱効率が悪くなります。結果、しっかり乾燥・消毒できない部分が出てきてしまうので、適度な隙間を作ることが大事です。

熱風吹き出し口付近に注意

  • 吹き出し口の近くは特に高温になります。この部分にプラスチック製や劣化しやすい食器を置くと、変形や痛みの原因になることも。
  • 耐熱性の高い食器を吹き出し口付近に置くか、できるだけ遠ざけて配置するよう心がけましょう。

使うときの注意ポイント:安全第一!

運転中や終了直後に扉を開けない

  • 運転中やすぐ後に扉を開けると、熱風が勢いよく吹き出すことがあります。また終了直後はやけどの恐れがあるので、庫内がしっかり冷えるまで待つか専用の軍手などを使用して作業しましょう。

終了後の扉の開閉を最小限に

  • 消毒が終わった後も、庫内の清潔を保つために、むやみに扉を開け閉めしないようにしましょう。庫内にホコリや湿気が入るのを防げます。

食器乾燥後の保管は重要

  • 食器の乾燥後は基本的にはそのまま消毒保管庫で保管してOK!食器の量などによって収納できない食器がある場合は、必ず衛生的な戸棚等に保管しましょう。

まとめ:乾燥が不十分で拭くのはNGです

食器の消毒と乾燥は、食の安全を守るためにとても重要なことです。

よくあるのが乾燥が不十分でペーパータオルなどで拭くことです。

もし乾燥が不十分であれば、再度スイッチを入れて乾燥させましょう。

乾燥が不十分な場合は、温度や時間設定、それから食器の詰め方などに問題があるので作業マニュアルなどを整備してルールを徹底することが重要です。

最も重要なのが、食器を保管庫に入れるときです。

食器の水切りが不十分なまま熱風消毒保管庫で乾燥させようとしても上手く乾燥できません。

当たり前なんですが。

必ず食器に水が溜まってない状態で保管庫に入れてスイッチを入れましょう。

忙しい現場で衛生的に作業を進めるためには正しい手順で乾燥させることが、効率的な作業に繋がります。

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