こんにちは「大量調理の伊達メガネ」です。
今回は、ちょっと気になる「次亜塩素酸ナトリウム」で野菜を洗うことの危険性についてお話ししていきます。
給食の大量調理の職場では野菜の洗浄には次亜塩素酸ナトリウムを使用することが多いです。
「大量調理の伊達メガネ」は毎日のように使用しています。その使い方について講習も受けています。
そんな次亜塩素酸ナトリウムですが「危険」と聞くこともよくあるのではないでしょうか?
でも、本当にそんなに危険なのか、それとも正しく使えば安全なのか、今回はその答えを探りながら、安心して使える方法をお伝えします。
大量調理の職場ではどのように野菜の洗浄をしているか興味のある方は「リアルな現場の野菜の洗浄と大量調理施設衛生管理マニュアル」にてお伝えしていますのでご覧ください。
次亜塩素酸ナトリウムって何?まずは基本から
「次亜塩素酸ナトリウム」と聞くと、「何それ?危ないものなの?」って思うかもしれませんが、実は身近なところで使われているものなんです。
たとえば、キッチン周りの漂白剤や消毒液に入っているのがこの次亜塩素酸ナトリウム。
もちろん学校や病院の給食の大量調理や食品工場などでも消毒に使われている成分なんですよ。
でも、こんな強力な消毒剤を野菜に使って大丈夫なの?と心配になる気持ちもわかります。
特に「危険」といわれると、ちょっと不安になりますよね。
でも、大事なのは「どう使うか」。
次亜塩素酸ナトリウムは、正しい使い方をすれば、しっかりと安全に使えるものなんです。
なんで次亜塩素酸ナトリウムで野菜を洗うの?
野菜を洗うときに、次亜塩素酸ナトリウムを使う理由は「細菌やウイルスをしっかり除去できるから」。
たとえば、給食の大量調理を行う学校や病院にレストランなどでは、食中毒を防ぐために細菌の除去がとても大切。
そのため、次亜塩素酸ナトリウムが推奨されていることも多いんです。
なので家庭での野菜洗浄でも、次亜塩素酸ナトリウムを使うことで細菌を除去し食中毒のリスクを下げることができるというわけです。
ただし、ここで注意しなければならないのは「濃度」と「使い方」。
濃度が高すぎたり、すすぎが不十分だったりすると危険なことがあるんです。
次亜塩素酸ナトリウムの危険性って?何が問題になるの?
ここで気になるのは「次亜塩素酸ナトリウムが危険だって本当?」という点ですよね。確かに、誤った使い方をすると、リスクがあるのは事実です。
次亜塩素酸ナトリウムを使う際に一番大事なのは、「濃度を間違えないこと」と「しっかりすすぐこと」。
この2つを守るだけで、家庭でも安全に使えます。
濃すぎると、野菜に薬品が残るリスクがあるので注意が必要です。
また、すすぎが足りないと、微量でも次亜塩素酸ナトリウムが残ってしまうかもしれません。すすぎは念入りに!
それから、金属製の容器や道具には使わないほうがいいです。
次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させる可能性があるため、プラスチックやガラスの容器を使うのがおすすめです。
濃度が高すぎると?
次亜塩素酸ナトリウムは、濃度が高すぎると野菜に薬品が残ってしまう可能性があります。
これを食べてしまうと、体に悪影響を与えることがあります。特に、目や喉に刺激を感じることがあるので注意が必要です。
すすぎが足りないと?
次亜塩素酸ナトリウムを使ったあとに十分なすすぎをしないと、薬品が野菜に残ってしまう可能性があります。
こうなると、せっかくの健康な野菜が逆に危険なものになってしまうかもしれません。
他の洗剤と混ぜると危険!
特に気を付けたいのが、他の洗剤や酸性のものと混ぜてしまうこと。
これをすると、有害なガスが発生することがあり危険です。
野菜を洗うときは、次亜塩素酸ナトリウム以外のものを一緒に使わないようにしましょう。
次亜塩素酸ナトリウムによる影響
次亜塩素酸ナトリウムの成分は消毒薬の中でも残りにくく安全性が高いと言われています。
実際、食品添加物として認められていて、決められた使い方をすれば心配いらないことが確認されています。
次亜塩素酸ナトリウムは分解が早く水にもよく溶けるので、水でしっかり洗えば簡単に取り除けます。
そのため野菜を次亜塩素酸ナトリウムで洗浄しても体に害はないと言えるでしょう。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムに含まれる成分が胃腸や肝臓に負担をかける可能性や喘息やアレルギーの原因になることがあるとも言われています。
だからこそ、適切な濃度で使って、しっかりすすぐことがとても大事なんです。
正しい使い方で安心!次亜塩素酸ナトリウムの使い方ガイド
危険だと言われがちな次亜塩素酸ナトリウムですが、正しく使えばとても便利で安全。
では、その「正しい使い方」とはどういうものか、詳しく説明していきますね。
次亜塩素酸ナトリウムを使うときは、必ず水で薄めてから使いましょう。
市販の漂白剤を使う場合は、必ず書いてある使い方を守ることです。濃度が高すぎると危険なので、しっかり薄めることが大事です。
次亜塩素酸ナトリウムの濃度が100ppmであれば10分、200ppmであれば5分つけます。
※「ppm」というのは、mg/Lのことです。例えば、次亜塩素酸ナトリウム200ppmの溶液は、1リットルの水に200mgの次亜塩素酸ナトリウムが含まれているという意味です。ちなみに、1mgは0.001gなので、200mgは0.2gになります。
特に葉物野菜やデコボコした表面のもの(例えばブロッコリーなど)は、しっかり浸けることで汚れや細菌を除去できます。
消毒が終わったら、流水でしっかりと野菜をすすぎます。
このすすぎがとても大事!
保健所の方からの「十分なすすぎ」とは次亜塩素酸ナトリウムの匂いがなくなるまでとのことでした。
匂いがなくなればいいのですが、しっかり薬品を洗い流すため10分は流水で流し続けるのが安心です。
野菜に次亜塩素酸ナトリウムが残らないようにしましょう。
次亜塩素酸ナトリウム溶液(200mg/lで5分間又は100mg/lで10分間)又はこれと同等の効果を有する亜塩素酸水(きのこ類を除く。)、亜塩素酸ナトリウム溶液(生食用野菜 に限る。)、過酢酸製剤、次亜塩素酸水並びに食品添加物として使用できる有機酸溶液。これらを使用する場合、食品衛生法で規定する「食品、添加物等の規格基準」を遵守すること。
大量調理施設衛生管理マニュアル
次亜塩素酸ナトリウムの失敗例
「次亜塩素酸ナトリウムを使ってみたいけど、怖い!」と思っている方のために、実際にあった失敗例をいくつか紹介します。
これを知っておけば、同じ失敗を避けることができますよ。
濃度が高すぎて野菜が変色!
次亜塩素酸ナトリウムを濃すぎる状態で使ってしまうと野菜が変色してしまうことがあります。
使うときは必ず薄めることが大事です。
すすぎ不足で薬品が残った!
もう一つの失敗例は「すすぎ不足」。
次亜塩素酸ナトリウムを使ったあとに流水で十分にすすがなかったため野菜に薬品が残ってしまい食べたときに異臭を感じたそうです。
しっかりとすすぐことが必要ですね。
まとめ:次亜塩素酸ナトリウムは危険ではなく、正しく使えば安心!
次亜塩素酸ナトリウムを使って野菜を洗うことに関して、危険だと感じることがあるかもしれませんが、実際は正しい使い方をすれば安心して使えます。
ポイントは「適切な濃度」と「しっかりしたすすぎ」。
この2つを守れば、次亜塩素酸ナトリウムは非常に効果的な野菜洗浄方法です。
何よりも大事なのは、知識を持って正しく使うこと。
これで、食中毒のリスクを減らしながら、安心して新鮮な野菜を食べられるようになります。
次亜塩素酸ナトリウムの使い方をマスターして安全でおいしい食卓を楽しみましょう!